ゼミ活動の過程その3

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今日から、カーツワイルについての英語本を英訳し、まとめた内容をここに記述していく。
レイ・カーツワイルについて

レイ・カーツワイルは、発明家、フューチャリストであり、人工知能の世界的権威で今日のグーグル社における人工学習機能と言語処理機能の技術責任者を務めています。1999年にはアメリカ国家技術賞を受賞しています。また、2005年に発刊されたThe Singularity is Nearという書作において、彼は「2045年に技術的特異点を迎えて、人類は生物を超越する」と述べています。

一般的に、技術革新というものはY=aXといった直線的な比例関係で進歩すると考えられます。
これに対してエクスポネンシャル・テクノロジーとは、Y=2Ⅹといった指数関数のように、2、4、8、16、32、64・・・といった具合に増加していき、臨界点を超えた時点でテクノロジーが無限大の加速度で進化するという考えで、その臨界点のことをシンギュラリティ、指数関数のように進化する技術をエクスポネンシャル・テクノロジーとカーツワイルは命名しています。

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指数関数的な11の企業テクノロジー
カーツワイルの予測は極めて有益でありますが、テクノロジー話に限定されるため、”ポスト・ヒューマン”を読んでいてもサイエンスフィクションを読んでいるような錯覚になります。”ポスト・ヒューマン”の分量が多いため、日本で翻訳書を出したNHK出版社でも、AIだけに内容を抜粋した”シングラリティは近い”へと編集をしなおして増刷を繰り返しました。

シンギュラリティ大学では、人類規模で解決すべき課題として、教育、エネルギー、環境、食糧、健康、繁栄、水、宇宙、防災、統治、住居の12テーマを揚げており、10億人の生活に良い影響を与えることを目標にあげています。これに対して、シンギュラリティ大学では、① IoT、VR、AR ② Bigデータ ③ ロボティクス ④ ナノテクノロジー ⑤ 3Dプリンター ⑥ 医学、神経科学 ⑦エネルギーと環境システム ⑧ 教育イノベーション ⑨レジャーと娯楽 ⑩ 金融システム ⑪ 安全とセキュリティ といったテクノロジーに焦点を当てている。

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1,IoTについて
1つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はIOTです。また、派生的には、ARという仮想現実やARという拡張現実も含まれます。インターネットと電化製品を接続することをIOTといいます。インターネットで接続できるデバイスの数は、2015年には80億でしたが、2020年には500億、2030年には1兆となると予測されています。2013年のCiscoの予測によれば、IoTは2025年までに14兆ドル市場に成長するとされています。まさしく指数関数的な拡大をはじめる可能性がある。
アメリカでは若者の10人中9人がスマートフォンのようなモバイルデバイスを持ち歩くが、スマートフォンのようなモバイルデバイスによって、レストランの予約も支払いもできるし、心拍数を測り、健康診断をすることもできます。ガス漏れ警報さえもできる。グーグルとラルフローレンが提携すると、心拍数や発汗量や消費カロリーから、オーダーメードのシャツが295ドルで提供されます。
インターネットとモバイルデバイスの発達は、電気でうごくあらゆるものをインターネットで接続するIOTと呼ばれるものに発展している。

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一方で、4Dを利用したVR(バーチャル・リアリティ)と呼ばれる仮想現実の世界や、ポケモンGOなどに代表されるAR(オーグメント・リアリティ)と呼ばれる拡張現実の世界は、ゲームプレーヤーには臨場感を与え、外科医には肉眼で追えない術野を与えます。
2016年にスタートしたポケモンGOは、現実世界に仮想キャラクターを登場させて人気となり、ゲーム市場最高のダウンロード数を記録しました。AR(拡張現実)は、今後1億人以上が利用するエクスポネンシャル・テクノロジーの1つです。次に来るのはホログラムかもしれないが、今日は始まりにすぎない。
VAのビジネスチャンスも大きく、外科手術や内視鏡手術のシュミレーターやパイロットの訓練用シュミレーターとしても利用されています。日本でも最先端3D技術や映像技術を展示する「3D&バーチャルリアリティ展」が毎年開かれています。
Covid19により、ラスベガスやマカオのような総合型リゾート施設(IR)では壊滅的な打撃を受けており、オンラインカジノの合法化へと戦略的重点を移す可能性もあるが、そうなれば市場規模はエクポネンシャルとなる可能性がある。

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2,ビックデータについて
2つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はBigData関係です。
インターネットやコンピュータの膨大なデータを取り扱い分析することをビックデータといいます。人類が保有する全世界データの9割は、2015年までの過去2年間に作られたものであり、2020年までのその数は21桁になる。
2015年時点でアメリカでは1日当たり2050億のEメールがやりとりされ、35億回のグーグル検索、5億回のツイート、2億のアプリやビデオがダウンロードされている。こうしたデータのほとんどがモバイルで再生されており、2015年時点では、全インターネット接続通信の32%がモバイルによるものです。
シスコによれば、モバイルデータは2000年には1エクサバイト(exabyte)未満でったが、2015年には44.2エクサバイトになり、2019年までには300にエクサバイトになると予想され、その3/4はビデオです。インターネット上の膨大なデータは低コストで保存することが出来き、音楽配信をハードディスクに保存する際には膨大な6テラバイトであっても現時点で230ドルしかかかりませんし、サムスンの保存デバイスは切手より小さのに512ギガバイトまで容量があります。
データの利用にはアルゴリズムが使われます。UPSでは、1日当たり、55000ルートに、1600万個の荷物を配送しますが、アルゴリズムを利用して情報管理をすることで、輸送距離として年間8500万マイルを節約しています。アルゴリズムの似たような活用法は、いろいろな産業で見られます。
データの中には、無料なものだけでなく、有料のものもあり、顧客の情報を分析する上で不可欠であるため、企業間で売買されている。今日、1560億ドルとなっており、アメリカのインテリジェント予算の2倍になっています。
BIGデータの最大の情報は個人の身体情報で、年に1度の精密検査をした際に細胞の1つ1つを調べると30兆になるが、専門医がそのデータの一部をすぐに受信して、遺伝子情報を含む膨大な情報を精査することによって、1人1人の患者に対する診断や治療が25万倍も精度が上がるとする報告もある。したがって、データ扱量の最大産業は医療産業といえるが、かかりつけの町医者は患者のデータを解析できないため、精密検査結果をデータ化し、解析して、それを専門医に転送する必要がある。チェスのチャンピオンに勝利したIBMのワトソンはすでに一部の処理を担っている。2016年、日本の医療機関でもワトソンを導入して、2000万件の癌患者遺伝子データと比較し、10分で処方箋を見つけていると報道されている。チェスのチャンピオンに勝利したワトソンはベッドルームくらいのの大きさでしたが、現在ではピザの大きさになっており、2050年には砂粒の大きさになると予想されている。

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3,ロボティクスについて
3つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はロボティクス関係です。日本では、第4次産業革命というとAIが注目されますが、シングラリティ大学では、AIは主にロボティクスの中に含まれます。
ロボティクス産業は、Littler Workplace Policy Instituteによれば、2020年代には最も成長率の高い産業であると考えられ、マイクロソフトによれば、2018年までに370億ドルの市場規模になると予想されています。2015年時点では、世界中に110万体のロボットが稼働している。International Federation of Roboticsによると、自動車産業では製造の80%がロボットによって行われています。
民間企業や軍隊は、24時間、365日、不平を言わずに働くロボットは望まれるはずであり、近い将来、肉体労働のすべてをロボットが行う時代がやってくる。特に、日本では介護ロボットのニーズが高まっている。今日では、性能と価格は決まっていないが、ムーアの法則によれば、AIやセンサー技術の進歩は指数関数的であり、価格も同様に指数関数的にさがると考えられる。2008年には50万ドルだったロボットが2016年には95%下がってきたことから考え、2025年までにはコスト的に利用可能となるかもしれない。
ロボティクスにおいて、特に注目すべきは空飛ぶロボットと自動運転ロボットである。過去10年間で1/200に値段が下がったドローンを利用し、アマゾンではドローンによる配送を実験している。そして、多くの民間企業や調査会社では農薬の散布や危険地帯の調査撮影にドローンを利用している。2023年までにドローン市場は890億ドルに成長すると予想されている。
もう1つは自動運転ロボットである。アメリカでは年間5300万件の交通事故が起きており、250万人が救急搬送され、20万人の患者が100万日を病院で過ごし、3万3千人が亡くなります。自動車事故のコストは年間8000億ドルであり、GDPの2.2%を占めている。また、民間損害保険会社の保険料はGDPの1.5%相当額も徴収されている。
マッキンゼーによると、SDV(self driving vehicles)によって、交通事故の90%は未然に防がれるため、GDPの無駄を省くことになる。1日、平均で50分間も自動車を運転する人の時間を節約でき、SDVではAIが効率的に走行するため大気汚染が16%削減され、交通渋滞を緩和する。自動運転車が誕生すると労働コストは90%削除され排出ガスは60%カットされる。
実用化については、2016年にGoogleの自動運転車が200万マイル以上の走行に成功しており、カリフォルニア、フロリダ、ミシガン、ネバダ、ワシントンDCではSDVの利用が法律的にも認められている。
テスラでは生産台数の90%を自動運転車にする準備が整い、ボルボとルノーでは2020年に実用化すると発表している。アウディは自動運転車のスピード記録をだしており、GMは時速70マイルでのハンドル、アクセル、ブレーキを制御する自動運転車の販売を始めました。フォード、トヨタ、GM、ホンダは自動運転車開発では2015年にパートナーシップを結んでいる。

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自動運転車のR&D予算は年間430億ドル以上となっています。Googleではこれまでに6000万ドル以上を使っており、ベンチャーキャピタルは2015年だけで4億ドル以上を投資している。これは前年比154%増にあたる。
自動運転車の最大の経済効果は、人が運転から解放されることよりも、駐車場の問題と考えられている。アメリカでは2億4500万台の自動車があり、ほとんどの自動車では95%が駐車中の状態にあります。RANDの調査によれば、都市部の31%は駐車場であり、その交通量の30%は駐車場を探す自動車によるものである。マッキンゼーによれば、SDVによって駐車場がなくなり610億スクエア―フィートが再開発されるとされています。
PWCによれば、自動運転車の登場により、道路から99%の自動車が無くなることによって、2億4500万台の自動車が245万台になるといいます。自動車は所有するのではなく、Uberやcar2goのようなオンディマンドやカーシェアリングを通じて必要な時だけ使うものになります。99%の自動車がなくなり、不動産が再開発され、膨大な数の新しい仕事が誕生することによって、1兆ドルの新収入が誕生することになると予想される。
また、GPSによる空飛ぶ飛行機も2010年代から開発が始まっている。ドローンのような形で目的地を自動車のGPSに入力するだけで、自動車のコンピュータが磁力計・加速度計・ジャイロスコープからのデータを使って回転翼やプロペラを制御するため、人間はただ乗っているだけになる。
ロボットによる人体代替は重要である。バイオニックアイによって視力を6.0に上げることができ、WiSEと呼ばれる無線インプラントでは、ペースメーカーなしで心臓病患者を支えることは既に可能である。バイオニックスパイン(背骨)は脳梗塞で脚が麻痺した患者の歩行を可能にする。バイオニックは、病院患者だけでなく、アスリートや健常者にも関係があり、2040年までにスポーツ界はナチュラル選手・バイオニック選手・ロボット選手の3種類に分類される可能性がある。

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4,ナノテクノロジーと素材科学
4つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はナノテクノロジー関係です。 これはカーツワイルの最重要視している3分野の1つです。ナノテクノロジーとは1mの1/10億の世界を示すが、髪の毛や紙の厚さは10万ナノメータであり、ナノテクノロジーでは100ナノメートル未満の大きさを扱うため、1つ1つの原子や分子を扱うことも多い。ナノテクノロジーの技術はすべてを変化させつつある。2016年時点のトランジスターの大きさは14ナノでしたが、2025年には1ナノの薄さを実現できる。
物質とは原子の組み合わせであり、石炭と金は、炭素という同じ原子からできているという点では同じだが、その組み合わせである分子構造が違う。26文字のアルファベットは同じでも、並べ替えるだけでdogがgodになるように、ナノテクノロジーで原子レベルを扱えるということは、その組み合わせを変えるだけで、いろいろな素材物質を作れる可能性がある。
ナノテクノロジーの応用は医療が興味深く、人工血液細胞が体内をめぐり悪い細菌を破壊し、超小型ロボットが腱や血管の詰まりを修復し、緑内障やバイパス手術に役立つ。歯科治療では痛みが無くなり、治療コストは9割下がる。
ナノテクノロジーの可能性は無限で、ベンチャーキャピタリストによる投資は2005年の40億ドルから2015年までには1兆ドルへ増加しているとNational Science Foundationが報告している。
素材に関してはグラフェンという炭素化合物が注目されており、炭素原子の化合物であるグラファイトで紙に書くと紙の上にグラファイトが残るが、それをナノレベルで1層ずつ剥がしていった最後の1層がグラフェンである。グラフェンは夢の素材であり、高度は鉄鋼の200倍、ゴムのような柔軟性、高い光伝導性、液体やガスを完全に通さず、重量はほぼゼロと、まさに夢の素材といえる。

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5,3Dプリンティング
5つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は3Dプリンティング関係です。3Dプリンターをつかって製造を行う技術である。Gartnerによると、3Dプリンターによる収入は、2015年は16億ドルだったが、2019年までには146億ドルになるとしている。3Dプリンターは、3次元の立体映像をPC上で設計するだけでなく、それを機械システム化することによって製品を作れる。
3Dプリンターがロボティクスと結びつくことによって、3Dプリンタに住宅の設計図を入力することで、それをロボットに接続することによって、レンガの積み上げから屋根の設置まですべての工程を完了し、1軒の家を作り上げることが出来る。NIKEでは3Dプリンターで運動靴を作り、ディズニーランドのレプリカも3Dプリンターで作られている。
アメリカ空軍やNASAでも利用されており、F35の部品の900以上はすでに3Dプリンターで製作されている。宇宙飛行士の宇宙食の機内製造にも利用を検討され始めている。3Dプリンターは極めて高い精度で、極めて複雑な構造を低コストで再現できるため、医学界では血管障害をもった新生児用に人工血管を製作する際にも利用されている。
ナノテクノロジーと結びつくことによって、3Dプリンティングはデジタルモデルで形状を設計し、素材を下から積み上げる技術と言い換えることができる。また、素材となるのは、金属、プラスティック、ゴムなどあらゆる物質と考えられる。究極的には、原子や分子のレベルでの素材を使い、あらゆるものを作り上げることになる。
3Dプリンターを使えるようになったおかげで、個別需要に対する調査、製造コストは劇的に低下しました。たとえば、BMWでは顧客に対して1000のオプションを提供できるようになった。そして、エクスポネンシャルテクノロジーであるため、値段が劇的に下がり続けている。2007年時点では3Dプリンターの値段は4万ドルだったが、今日ではたった9年間で400分の1の150ドルになっている。

6,医療とナノテクノロジー
6つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は医療と神経科学である。アメリカ人の平均寿命は1900年には47歳、2015年には86.6歳だった。National Institute on Agingによれば、2036年までには、毎年、1年以上も寿命が延びると予測している。人類の寿命の延びは医薬品、神経科学、統合生物学の進歩が根底にあるが、DNAの4コードの再配列によって、さらに寿命の延びが考えられる。
ヒトゲノム解析診断費用は、初期には27億ドルだったが2015年には1000ドルまでさがり、2020年には1ペニーで十分となっているかもしれない。2020年までに、肺がんや肝臓がんのすべての癌の名称が、ヒトゲノム関連名称へと変更され、ガンの根絶へ劇的な流れが生じるかもしれない。
ニコラス・ボルガ―は、遺伝子操作による治療を施された最初の子供でだが、4歳のとき、病名不明の病にかかって死ぬしかなくなったとき、16000もの遺伝子分散状況を精査し、病原である遺伝子を発見し、血液の入れ替えによって、病的遺伝子を健全遺伝子に置き換える治療法により2011年に回復した。

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バイオテクノロジーで1番ホットな話題は、CRISPR/Cas9システムで、DNA2本鎖を切断して、ゲノム配列を任意に領域で置換・挿入・削除ができる遺伝子編集技術です。中国ではすでに肺がん治療にりようされていますし、自閉症、精神分裂症、アルツハイマー、精神分裂症の処方にも試験的に私用されています。あくまでも実験結果にすぎませんが細胞からHIVを除去することも可能です。
CRISPRとはリピート配列とスペーサー配列という2種類の配列の繰り返しから構成されていますが、人間だけでなく動物や植物にも存在するため、植物では、バイオ燃料開発、品種改良、病気への耐性など生産性を挙げることにつながりますし、生物学では、マラリアを起こさない蚊、ミルクを多く出す牛がありますが、科学者は絶滅した種の再現すら試みています。
遺伝子組み換えは、穀物やトウモロコシやコットンでは90%を超えており、1兆以上の遺伝子組み換え食品が流通しており、遺伝子組み換え食品がなくなれば、世界人口の1/7は食糧不足に陥り、毎年500万人の子供が餓死することになります。
食肉については、実験室の幹細胞(分裂して自らと同じ細胞を作る自己複製能力を持つか、または、いろいろな細胞に分化する多分可能力を持つ細胞)から病気や汚染の度合いが低い肉を作ります。本質的には、1頭の乳牛のDNAから世界の食を賄うというものです。2013年にオランダで始まった実験では数年かけて40万ドルで1/3ポンドのハンバーガーパティをつくることに成功し、3年後にはサンフランシスコで1万8千ドルで乳牛、鶏、豚のミートボールを作れるようになりました。ムーアの法則よりもペースが速いため、2021年までには、培養肉は食卓用に販売されるはずです。
こうした研究実験の成果として、近い将来、実年齢95歳の人間が55歳平均並みの体を手にしている可能性が見えてきます。Personalized, Predictive, Preventive, Participatoryという4つのP・medicineの時代へ突入しつつあるのです。バイオテクノロジーの進歩によって生理学的に自分の見た目を変えることが出来るようになりすし、DNA操作のおかげで子供の男女の産み分けも可能になります。

7エネルギーと環境システム
7つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はエネルギーと環境システム関係です。特に、太陽エネルギーと水の有効利用についてです。あと十数年で石油が枯渇する。火力発電ではCO2が大量発生する。原子力発電は危険である。こうした意見が根強い中で、エネルギーの枯渇、CO2問題等に対処するため、太陽光の利用が注目されています。
太陽光は人類が必要とするエネルギーの1万倍を提供します。太陽光発電の潜在能力は極めて高く、砂漠1キロ平方メートルから集められるエネルギーは、150万バーレルのオイルや300トンの石炭に匹敵しますし、北アフリカの砂漠地帯をソーラーパネルのするだけで、人類が必要とするエネルギーの40倍が供給されます。
問題はソーラーパネルの設置コストですが、1984年には1キロワットを供給するのに30ドルもかかっておりとても実用化にむきませんでしたが、現在では16セントと1/200になっています。仮に、2年間で半値になるというペースで計算すれば、2040年には、現在の1/2000以下になりますから、太陽光発電だけで人類のエネルギーはすべて賄える計算になります。
太陽光パネルによる発電システムの技術進歩に加えて蓄電装置が進歩しています。MITとサムスンで共同開発したグラフェン電池では、何度でも充電可能で半永久的に利用でき、普通の電池より30%小さくオーバーヒートしません。Dongxu Optoelectronics Technologyでは、15分充電するだけでリチウムイオン電池の20倍の蓄電容量があり、しかも毎日充電して使用しても10年間利用し続けることができる電池を開発しています。また、ニューヨークにあるTrans Active Gridでは 家庭の太陽光パネルで発電した余剰電力を、電力会社を通さずに隣近所へ販売できるシステムを開発して太陽光発電のコスト減へと貢献しています。
一方で、水という資源の有効利用も重要です。飲み水がなければ生きていけませんし、穀物や食肉の供給に水は必要ですし、清潔な水がなければ伝染病の原因となります。World Business Council for Sustainable Developmentによれば、 人類は地球上にある水の1%の半分だけで生存できるとされています。そこで、有限の水資源をどれだけ効率的に使用できるかについて、指数関数的な技術が威力を発揮します。
まずは、汚水を再利用ができればよいわけで、99%バクテリアを殺菌して飲み水にする技術はカーネギーメロン大学で開発されています。海水の飲料水への利用については、イスラエルでは、2020年稼働予定の汲み上げシステムによって、国内の必要飲料の20%を確保できると推定されています。

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次に、水の需要の80%は農業用水で、1ポンドの小麦の生産には237ガロン、1ポンドのトウモロコシの生産には147ガロンの水が必要であり、牛肉1ポンドを生産するには12000ガロンの水が必要です。そして、人間が消費する動物1トン当たり、6トンの穀物が動物に消費されます。そのため、水の消費量を減らした耕作法が必要です。
栽培法自身によって水を節約するために、土地に食物を植える土耕栽培に対して、土地を使わない水耕栽培(hydroponics)では70%も効率が良く、土地を使わず最低限の水と液体肥料をスプレー噴射して空中で植物を栽培するエアロポニックは98%も水をカットしつつ栽培が可能です。ニュージャージーの古い鉄鋼ビルでは、エアロポニック栽培がおこなわれており、同じ面積の土耕栽培に比べて75倍も効率が良くなっています。

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8,教育の革命
8つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は教育関係です。大学とは、一か所に学生が集まって、先生が講義をして、テキストブックを指定して、全員一緒のペースで授業が進み、1年1年カリキュラムが積み上げられていきます。また、大学の学位を取得するには、莫大な学費を支払うことになりますが、大学費用の多くは宿舎や食費などで下宿生というのも費用負担がかさみます。 こうしたやり方の中の非効率な面に対して、指数関数的技術が大いに貢献するはずです。
アメリカの大学の年間授業料は、1980年には2320ドルでしたが、2015年には9140ドルに急上昇しています。その結果、International Business Timesによれば、1990年時点では卒業時にローンを抱える学生はほぼゼロでしたが、2016年時点では学生の70%が卒業時に3万7千ドルのローンを抱えています。学生時代の借金の合計は4200万人で1.3兆ドルに及びます。これは国の借金の6%に相当します。

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しかも、4年で卒業しているのは39%であり、6年かけて卒業しているものが全体の60%となっています。留年に伴う費用は宿舎と食費を合わせると30万ドルであると推定されます。その反面、学位と関係のある職業についているのは全体の27%に過ぎず、大学の学位を要する職業も全体の62%に過ぎないという調査報告もあります。
アメリカでは、大学キャンパス内に、映画館やフードコートやスポーツセンターが完備され、宿舎も冷暖房や電子レンジやテレビまで完備されており、名門大学を卒業するには5000万円かかるようになり、卒業時点で親や学生自身も多額のローンを抱えてしまい、社会人となってから貯蓄や投資によって財産を築く際に支障が生じています。
アメリカでは高学歴社会が破綻しつつありますが、一方で、国連によれば、小学校に行けない子供が世界には5800万人おり、93の国では先生が足りておらず、その3分の1では正規の小学校に先生がおりません。ユネスコによれば、2020年までに1090万人の追加の先生が必要だとしています。世界中を見渡せば、膨大な数の子供が教育を受けられませんが、その原因の多くは教育費の暴騰にあります。

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この分野でもエクスポネンシャル・テクノロジーが発展しつつあり、2015年の教育分野へのベンチャーキャピタルの投資額は19億ドルであり、2014年から2015年までにベンチャーキャピタルによる投資額が2倍に増加しています。具体的には、無料テキスト、遠隔教育、自己ペース学習、教師なしの学習、無料教育などです。
アメリカの大学のテキストの平均的な値段は82ドルでコストの大部分は紙による印刷代なので、バージニアのコミュニティカレッジではデジタル書籍化により、学生の負担コストを年間300万ドル削減しています。
また、大学費用の6割以上は宿舎と食費ですが、遠隔教育を利用できれば劇的に費用を低下させられます。アメリカのスタンフォード大学では人工知能学部が16万人に対して遠隔教育の門戸を開き、250人がディーンズリストで卒業していますが、このようなインターネット環境を通じて、無料で世界中の有名大学の授業を受けることが出来る学習環境をMOOC(ムーク:Masssive Open Online Courses)といい、スタンフォード大学の教授によるUdacityが最初の者であり、現在、Coursera(コーセラ)では、196の大学や企業と提携して、3751口座と16学位の提供を行っています。
MOOCの大部分は100ドル未満であり、大学によっては、学位を取得するのに、一般的な通学方法で6万ドルかかるところ、たったの7000ドルですんでしまうとのことです。ここにもエクスポネンシャル・テクノロジー企業が活躍しており、Courseraは年間収益1億4千万ドル、時価総額10億ドルを超えるユニコーンの1つとなっています。
さらに、Khan Academyでは、セルフペースでの学習プログラムをオンライン形式で提供しており、数学、歴史、ヘルスケア、医学、ファイナンス、物理、コンピュータサイエンスなど、5000以上のプログラムを26か国語で提供しており、すでに5億8千万のレッスンを完成させていますし、Great Course Plusでは1課目年間口座料179ドルで、7000以上の講義を提供しています。

9未来のレジャーと娯楽
9つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は娯楽やレジャーです。ブラジルやフランスやドイツでは30日、イギリスやスウェーデンやイタリアであ25日も長期休暇を取るのに、アメリカ人は、年間たった11日しかバケーションを取りません。ただし、定年後は毎日がバケーションです。2016年、退職者のレジャー需要は1800億ドルですが、2035年までには4.6兆ドルになると予想されています。

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自転車や水泳はジムで教わる代わりに南の島で教われます。南の島に家を建て、子供の世話や読み書きを教えてもらい、応急手当まで行ってくれるため、時間を節約できるようになります。植物学者や動物学者と一緒に旅行ができるようになります。自分で操縦できなくてもクルージングスタッフが案内してくれます。特にスポーツは68%の退職者がファンですが、エクスポネンシャル・テクノロジーによって、スポーツファンでない人もファンになる可能性があります。
スタジアムに関しては、2040年までには25万人を収容できるものが登場します。AIにより隣の席には大学の同級生が座ったり、趣味が似ている人が集められ、所得に応じて優先席が割り当てられます。入退場の混雑はAIで管理され、自動運転による駐車場の混雑もなくなります。ARやホログラフィックや3Dディスプレイによって、これまでにない臨場感を味わえます。
エクスポネンシャル・テクノロジーによって、アスリートになることもできます。バイオニック選手になることもできます。どんな気候条件も再現されます。深夜のゴルフを行うことも、オリンピック競技場でスケートをすることもできます。また、実際のプロスポーツの選手のパフォーマンスに基づいたバーチャルプロチームを結成してプレーするfantasy sportは2兆ドル市場になっており、2020年には14兆ドルにまで成長するとされ、そのプラットフォームの最大手であるDraftkingsは企業価値が20億ドルを超えています。
Eスポーツとしてビデオゲーム的にスポーツを楽しむこともできます。世界では7億人(内アメリカ人は1億5900万人)が1日1時間以上をビデオゲームを楽しんでいます。

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10,金融産業
10つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は金融産業です。金融産業に対するベンチャーキャピタル投資額は、2015年の1870億ドルですが、その10%はフィンテックに対するもので、2010年の10倍になります。
シングラリティ大学の目標の1つは世界から貧困をなくすことであり、世界から貧困がなくなって消費者の数が増えれば、世界経済は爆発的に成長します。貧困状態に置かれている南米やアフリカやアジアの人たちが中流階級となって、自動車や住宅や冷蔵庫を手にできれば、30億人の消費需要が生まれます。
ピーター・ディアマンディスの著書・『Abundance』には、貧困状態に置かれている30億人が、中流階級となって、お金を稼ぎ、お金を消費すれば、世界経済が劇的に進歩するという記載がありますが、インターネット環境が整い、スマートフォンを使って銀行口座を手に入れることから、すべてが始まります。

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貧困問題が解決しない1つの原因は銀行口座を持てないことであり、銀行口座が持てなければ、クレジットカードも自動車ローンも住宅ローンも教育ローンも組めません。世界人口70億人の30%にあたる20億人が銀行口座を持てず、金融システムから隔離されています。世界経済発展の1つのカギは、金融システムから隔離された地域や人々をいかに取り込むかにあります。
スマートフォンのモバイルバンキングによって、問題は解決されつつあります。 ケニアの金融取引の40%はスマートフォンのモバイルバンキングで行われており、バングラディッシュでも人口の10%はモバイルバンキングを利用しています。世界中には銀行口座を開設できない人口は40億人いますが、モバイルバンキングは有力な方法です。
世界銀行によれば、送金ビジネスは6000億ドル市場といわれ、たとえば、 M-PESAとは、毎月70か国で使用されるモバイル支払いシステムですが、ケニアのGDPの25%相当はM-PESAを通じて行われており、アフリカでは4000万人が利用しています。ただし、世界中の銀行口座を持たない方々は、インターネットにアクセスできる環境が必要です。 

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こうした流れを後押しする技術として、SpaceXでは100億ドルで400基の小型衛星を2019年までに900基打ち上げるために30億ドルの予算を組んでいます。facebookでは自動車より軽く、Boing747より大きく、自動車より軽い、太陽光自家発電による無人の自動操縦の飛行機を、1度に何か月間も6万フィート上空へ飛行させて、空からインターネットアクセスを良好にするビームを出しています。Googleでは6万5千フィート地点に数千の気球を浮上させて、地球周辺の高速インターネット接続を提供する予定で、2016年、第1号機はスリランカ上空に発射されました。エストニアの科学者はWi-Fiの100倍のスピード性能を持つ Li-Fiという無線技術を開発しており、データを可視光線で伝達するため、LEDライトバルブが無線ルーターとなります。

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エクスポネンシャル・テクノロジーによる金融産業の発展は、貧困層の撲滅だけではありません。通貨という存在自体をかえようとしています。2009年にSatoshi Nakamotoにより考案された仮想通貨とブロックチェーンとは、金属や紙で出来上がった通貨の代わりに出来上がった電子マネーと、書き換えの利かない情報の記録と管理を行う分散型台帳技術であり、ビットコインなどの仮想通貨が出来上がり、それを支える管理台帳がブロックチェーンと呼ばれます。
通貨の役割とは、物々交換に変えて、国が自国内や他国との商取引を促進することですが、通貨を発行したら、通貨をコントロールする必要があります。紙幣とは単なる紙切れなので、紙切れをするだけで、政府は借金を返すこともできます。紙幣量を2倍にすれば、紙幣価値は半分になり、モノの値段が2倍になってインフレーションを引き起こします。2008年のジンバブエでは1日で98%のインフレ率となりました。
また、中央銀行が中心となっている銀行システムでは、銀行が預金の大部分を運用するために、すべての預金引き出しに即座に応じるだけの紙幣を保管していません。預金引出が一度に殺到すれば、最後の手段として中央銀行は紙幣を増刷して用意する必要があります。そうした事態には、ハイパーインフレーションが起こる可能性もあります。

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ビットコインなどの仮想通貨は、コンピューターテクノロジーによって、インフレーションに浸食されないようなコントロールが理論上は可能です。それどころか、政府が発行しない仮想通貨が世界中で取引されれば、クレジットカードの決済すら必要がなくなります。
ビットコインの利用者数は、2014年には130万人でしたが、2019年には4700万人になると予想されています。ベンチャーキャピタルはすでに5億5000万ドルをビットコインに投資しており、ビットコインの流通量は、2013年の40億ドルから、2015年には235億ドルにまで急増しています。デジタル仮想通貨の必要性が高まる一方であり、何年後かには、紙幣が博物館に展示されている可能性もあります。

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一方で、ブロックチェーンとは、世界中の数千台の大型コンピューターが自動的に不正を見つけて相互管理しあうことで、信頼認証を自動的に行うものです。しかも、情報履歴の記録書き換えは不可能になっています。ブロックチェーンが仮想通貨と結びついた場合、国ごとの中央銀行による通貨量管理も無用になる可能性があります。また、既存の銀行業務の多くが激減する可能性もあります。世界経済にとっては手数料コストが低下することによって効率化が進みます。
宅配でも融資でも決済時の信用があるから実行されるサービスですが、株式の取次、フラット35の取次、代金決済の取次など、金融機関の仕事の大部分は、互いに信用性に疑問がある取引を、自らの信用を利用して取次を行う業務です。 ブロックチェーンとは、インターネット設立以降、最も重要な進歩であり、信用産業のすべてを排除する可能性があります。

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IBMではシンガポールにブロックチェーンセンターを作り、政府や学界や産業界と連携していますし、会計大手のDeloitteはデジタル・アイデンティティ・プログラムを提供し、デジタル・バンキングを運用し、国境を越えた支払いを取り扱い、ロイヤルティを提示しています。2016年のゴールドマンサックスの調査によれば、アメリカでは、2020年までに、ブロックチェーン技術が370億ドルの規模にまで拡大するとしています。

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インターネット接続環境とスマートフォンのモバイルバンキングの普及、ビットコインなどの仮想通貨とブロックチェーンの発展によって、既存の銀行、証券、保険なども劇的に変わっていくはずです。銀行業務の中心は融資業務ですが、Crowdfundingというお金を融通しあう仕組みも生まれています。

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Crowdfundingとは群衆と資金を結びつけるという意味で、不特定多数の人々を通常のインターネットで結びつけ、小口の資金が必要な人に対して、余剰資金を持つ人が小口の融資を行うものです。アメリカの最大サイトはLending Club(米国最大の個人向けローン企業)であり、1口25ドルの小口で不特定多数から資金を募り、2000ドルから4万ドルまでの融資を行うシステムで、2007年時点ですでに200億ドルの融資残がありました。

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投資家からすれば、5~36%までの高い金利をもらえる一方で、融資を受ける側も手にすることが出来なかった資金を提供されます。クレディ・スイスによれば、2025年までには、業界全体では3兆ドル規模になると予測しています。また、Crowdfundingでは、起業家に対する資金融資、慈善事業への寄付金もおこなっております。起業支援としてはKickstarterが、寄付金ではgofundme.comが最大です.一方でrowdfundingとはお金を融通しあう仕組みであるためSharing Economyの1つです。Sharing Economyとして、Kaggleを利用することによって、数十万人の科学者のデータを使えますし、On Demand Workerが誕生して、1つの組織に属して上司が決まっている従来の働き方が、複数のプロジェクトごとに組織や上司が変わってくるやり方となっています。Sharing Economyにより、そこから自動車もZipcar やcar2goを通じて必要な時だけつかうものになりますし、自分で運転したくなければ運転手付きのUberやLyftを利用するようになり、自動車の所有者としての責任や保険料、税金、維持費、駐車場代が必要なくなります。

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Sharing Economyに関しては、アメリカでは数千のウェブサイトがあって、知人の結婚式に来ていく洋服も腕時計も借りられますし、洋服を他人と一時的に交換して利用することもできます。空いている部屋を旅行者に貸し出す民泊もあります。Sharing Economyは150億ドル産業ですが、2025年までには市場規模が3350億ドルを超えると予想されています。

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さらに、Gamificationといって、ゲームのようなやりかたをゲーム以外の事象の応答するIt用語があります。Orteig賞とはホテル経営者のオルテーグがニューヨークとパリ間を無着陸で飛んだ飛行士に与えたものですが、それに刺激を受けたピーター・ディアマンスはXプライズを設立して宇宙船を設計し飛行した人に1000万ドルをあたえると2週間告知したところ、7か国から26チームが応募し結果、優勝チームによってSpaceShipOneが誕生していきます。1億ドルの賞金を目指して、参加チームは総額1億ドルをかけてコンテストに臨んでいます。ディアマンディスは、教育やアルツハイマー治療薬などのついても同様のコンテストを主宰していますが、起業スピードもエクスポネンシャルであり、明らかに銀行の融資制度とはやり方が異なります。 金融サービス業界は世界最大規模であり、銀行、保険、証券、クレジットカード会社が関係し、日常的に、消費者が取引を行います。膨大なお金の量と膨大な人数がかかわるため、金融業界での技術革新が巨大な機会を提供しているということがおわかるでしょう。