今日から、カーツワイルについての英語本を英訳し、まとめた内容をここに記述していく。
レイ・カーツワイルについて
レイ・カーツワイルは、発明家、フューチャリストであり、人工知能の世界的権威で今日のグーグル社における人工学習機能と言語処理機能の技術責任者を務めています。1999年にはアメリカ国家技術賞を受賞しています。また、2005年に発刊されたThe Singularity is Nearという書作において、彼は「2045年に技術的特異点を迎えて、人類は生物を超越する」と述べています。
一般的に、技術革新というものはY=aXといった直線的な比例関係で進歩すると考えられます。
これに対してエクスポネンシャル・テクノロジーとは、Y=2Ⅹといった指数関数のように、2、4、8、16、32、64・・・といった具合に増加していき、臨界点を超えた時点でテクノロジーが無限大の加速度で進化するという考えで、その臨界点のことをシンギュラリティ、指数関数のように進化する技術をエクスポネンシャル・テクノロジーとカーツワイルは命名しています。
指数関数的な11の企業テクノロジー
カーツワイルの予測は極めて有益でありますが、テクノロジー話に限定されるため、”ポスト・ヒューマン”を読んでいてもサイエンスフィクションを読んでいるような錯覚になります。”ポスト・ヒューマン”の分量が多いため、日本で翻訳書を出したNHK出版社でも、AIだけに内容を抜粋した”シングラリティは近い”へと編集をしなおして増刷を繰り返しました。
シンギュラリティ大学では、人類規模で解決すべき課題として、教育、エネルギー、環境、食糧、健康、繁栄、水、宇宙、防災、統治、住居の12テーマを揚げており、10億人の生活に良い影響を与えることを目標にあげています。これに対して、シンギュラリティ大学では、① IoT、VR、AR ② Bigデータ ③ ロボティクス ④ ナノテクノロジー ⑤ 3Dプリンター ⑥ 医学、神経科学 ⑦エネルギーと環境システム ⑧ 教育イノベーション ⑨レジャーと娯楽 ⑩ 金融システム ⑪ 安全とセキュリティ といったテクノロジーに焦点を当てている。
1,IoTについて
1つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はIOTです。また、派生的には、ARという仮想現実やARという拡張現実も含まれます。インターネットと電化製品を接続することをIOTといいます。インターネットで接続できるデバイスの数は、2015年には80億でしたが、2020年には500億、2030年には1兆となると予測されています。2013年のCiscoの予測によれば、IoTは2025年までに14兆ドル市場に成長するとされています。まさしく指数関数的な拡大をはじめる可能性がある。
アメリカでは若者の10人中9人がスマートフォンのようなモバイルデバイスを持ち歩くが、スマートフォンのようなモバイルデバイスによって、レストランの予約も支払いもできるし、心拍数を測り、健康診断をすることもできます。ガス漏れ警報さえもできる。グーグルとラルフローレンが提携すると、心拍数や発汗量や消費カロリーから、オーダーメードのシャツが295ドルで提供されます。
インターネットとモバイルデバイスの発達は、電気でうごくあらゆるものをインターネットで接続するIOTと呼ばれるものに発展している。
2,ビックデータについて
2つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はBigData関係です。
インターネットやコンピュータの膨大なデータを取り扱い分析することをビックデータといいます。人類が保有する全世界データの9割は、2015年までの過去2年間に作られたものであり、2020年までのその数は21桁になる。
2015年時点でアメリカでは1日当たり2050億のEメールがやりとりされ、35億回のグーグル検索、5億回のツイート、2億のアプリやビデオがダウンロードされている。こうしたデータのほとんどがモバイルで再生されており、2015年時点では、全インターネット接続通信の32%がモバイルによるものです。
シスコによれば、モバイルデータは2000年には1エクサバイト(exabyte)未満でったが、2015年には44.2エクサバイトになり、2019年までには300にエクサバイトになると予想され、その3/4はビデオです。インターネット上の膨大なデータは低コストで保存することが出来き、音楽配信をハードディスクに保存する際には膨大な6テラバイトであっても現時点で230ドルしかかかりませんし、サムスンの保存デバイスは切手より小さのに512ギガバイトまで容量があります。
データの利用にはアルゴリズムが使われます。UPSでは、1日当たり、55000ルートに、1600万個の荷物を配送しますが、アルゴリズムを利用して情報管理をすることで、輸送距離として年間8500万マイルを節約しています。アルゴリズムの似たような活用法は、いろいろな産業で見られます。
データの中には、無料なものだけでなく、有料のものもあり、顧客の情報を分析する上で不可欠であるため、企業間で売買されている。今日、1560億ドルとなっており、アメリカのインテリジェント予算の2倍になっています。
BIGデータの最大の情報は個人の身体情報で、年に1度の精密検査をした際に細胞の1つ1つを調べると30兆になるが、専門医がそのデータの一部をすぐに受信して、遺伝子情報を含む膨大な情報を精査することによって、1人1人の患者に対する診断や治療が25万倍も精度が上がるとする報告もある。したがって、データ扱量の最大産業は医療産業といえるが、かかりつけの町医者は患者のデータを解析できないため、精密検査結果をデータ化し、解析して、それを専門医に転送する必要がある。チェスのチャンピオンに勝利したIBMのワトソンはすでに一部の処理を担っている。2016年、日本の医療機関でもワトソンを導入して、2000万件の癌患者遺伝子データと比較し、10分で処方箋を見つけていると報道されている。チェスのチャンピオンに勝利したワトソンはベッドルームくらいのの大きさでしたが、現在ではピザの大きさになっており、2050年には砂粒の大きさになると予想されている。
3,ロボティクスについて
3つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はロボティクス関係です。日本では、第4次産業革命というとAIが注目されますが、シングラリティ大学では、AIは主にロボティクスの中に含まれます。
ロボティクス産業は、Littler Workplace Policy Instituteによれば、2020年代には最も成長率の高い産業であると考えられ、マイクロソフトによれば、2018年までに370億ドルの市場規模になると予想されています。2015年時点では、世界中に110万体のロボットが稼働している。International Federation of Roboticsによると、自動車産業では製造の80%がロボットによって行われています。
民間企業や軍隊は、24時間、365日、不平を言わずに働くロボットは望まれるはずであり、近い将来、肉体労働のすべてをロボットが行う時代がやってくる。特に、日本では介護ロボットのニーズが高まっている。今日では、性能と価格は決まっていないが、ムーアの法則によれば、AIやセンサー技術の進歩は指数関数的であり、価格も同様に指数関数的にさがると考えられる。2008年には50万ドルだったロボットが2016年には95%下がってきたことから考え、2025年までにはコスト的に利用可能となるかもしれない。
ロボティクスにおいて、特に注目すべきは空飛ぶロボットと自動運転ロボットである。過去10年間で1/200に値段が下がったドローンを利用し、アマゾンではドローンによる配送を実験している。そして、多くの民間企業や調査会社では農薬の散布や危険地帯の調査撮影にドローンを利用している。2023年までにドローン市場は890億ドルに成長すると予想されている。
もう1つは自動運転ロボットである。アメリカでは年間5300万件の交通事故が起きており、250万人が救急搬送され、20万人の患者が100万日を病院で過ごし、3万3千人が亡くなります。自動車事故のコストは年間8000億ドルであり、GDPの2.2%を占めている。また、民間損害保険会社の保険料はGDPの1.5%相当額も徴収されている。
マッキンゼーによると、SDV(self driving vehicles)によって、交通事故の90%は未然に防がれるため、GDPの無駄を省くことになる。1日、平均で50分間も自動車を運転する人の時間を節約でき、SDVではAIが効率的に走行するため大気汚染が16%削減され、交通渋滞を緩和する。自動運転車が誕生すると労働コストは90%削除され排出ガスは60%カットされる。
実用化については、2016年にGoogleの自動運転車が200万マイル以上の走行に成功しており、カリフォルニア、フロリダ、ミシガン、ネバダ、ワシントンDCではSDVの利用が法律的にも認められている。
テスラでは生産台数の90%を自動運転車にする準備が整い、ボルボとルノーでは2020年に実用化すると発表している。アウディは自動運転車のスピード記録をだしており、GMは時速70マイルでのハンドル、アクセル、ブレーキを制御する自動運転車の販売を始めました。フォード、トヨタ、GM、ホンダは自動運転車開発では2015年にパートナーシップを結んでいる。
自動運転車のR&D予算は年間430億ドル以上となっています。Googleではこれまでに6000万ドル以上を使っており、ベンチャーキャピタルは2015年だけで4億ドル以上を投資している。これは前年比154%増にあたる。
自動運転車の最大の経済効果は、人が運転から解放されることよりも、駐車場の問題と考えられている。アメリカでは2億4500万台の自動車があり、ほとんどの自動車では95%が駐車中の状態にあります。RANDの調査によれば、都市部の31%は駐車場であり、その交通量の30%は駐車場を探す自動車によるものである。マッキンゼーによれば、SDVによって駐車場がなくなり610億スクエア―フィートが再開発されるとされています。
PWCによれば、自動運転車の登場により、道路から99%の自動車が無くなることによって、2億4500万台の自動車が245万台になるといいます。自動車は所有するのではなく、Uberやcar2goのようなオンディマンドやカーシェアリングを通じて必要な時だけ使うものになります。99%の自動車がなくなり、不動産が再開発され、膨大な数の新しい仕事が誕生することによって、1兆ドルの新収入が誕生することになると予想される。
また、GPSによる空飛ぶ飛行機も2010年代から開発が始まっている。ドローンのような形で目的地を自動車のGPSに入力するだけで、自動車のコンピュータが磁力計・加速度計・ジャイロスコープからのデータを使って回転翼やプロペラを制御するため、人間はただ乗っているだけになる。
ロボットによる人体代替は重要である。バイオニックアイによって視力を6.0に上げることができ、WiSEと呼ばれる無線インプラントでは、ペースメーカーなしで心臓病患者を支えることは既に可能である。バイオニックスパイン(背骨)は脳梗塞で脚が麻痺した患者の歩行を可能にする。バイオニックは、病院患者だけでなく、アスリートや健常者にも関係があり、2040年までにスポーツ界はナチュラル選手・バイオニック選手・ロボット選手の3種類に分類される可能性がある。
4,ナノテクノロジーと素材科学
4つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はナノテクノロジー関係です。
これはカーツワイルの最重要視している3分野の1つです。ナノテクノロジーとは1mの1/10億の世界を示すが、髪の毛や紙の厚さは10万ナノメータであり、ナノテクノロジーでは100ナノメートル未満の大きさを扱うため、1つ1つの原子や分子を扱うことも多い。ナノテクノロジーの技術はすべてを変化させつつある。2016年時点のトランジスターの大きさは14ナノでしたが、2025年には1ナノの薄さを実現できる。
物質とは原子の組み合わせであり、石炭と金は、炭素という同じ原子からできているという点では同じだが、その組み合わせである分子構造が違う。26文字のアルファベットは同じでも、並べ替えるだけでdogがgodになるように、ナノテクノロジーで原子レベルを扱えるということは、その組み合わせを変えるだけで、いろいろな素材物質を作れる可能性がある。
ナノテクノロジーの応用は医療が興味深く、人工血液細胞が体内をめぐり悪い細菌を破壊し、超小型ロボットが腱や血管の詰まりを修復し、緑内障やバイパス手術に役立つ。歯科治療では痛みが無くなり、治療コストは9割下がる。
ナノテクノロジーの可能性は無限で、ベンチャーキャピタリストによる投資は2005年の40億ドルから2015年までには1兆ドルへ増加しているとNational Science Foundationが報告している。
素材に関してはグラフェンという炭素化合物が注目されており、炭素原子の化合物であるグラファイトで紙に書くと紙の上にグラファイトが残るが、それをナノレベルで1層ずつ剥がしていった最後の1層がグラフェンである。グラフェンは夢の素材であり、高度は鉄鋼の200倍、ゴムのような柔軟性、高い光伝導性、液体やガスを完全に通さず、重量はほぼゼロと、まさに夢の素材といえる。
5,3Dプリンティング
5つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は3Dプリンティング関係です。3Dプリンターをつかって製造を行う技術である。Gartnerによると、3Dプリンターによる収入は、2015年は16億ドルだったが、2019年までには146億ドルになるとしている。3Dプリンターは、3次元の立体映像をPC上で設計するだけでなく、それを機械システム化することによって製品を作れる。
3Dプリンターがロボティクスと結びつくことによって、3Dプリンタに住宅の設計図を入力することで、それをロボットに接続することによって、レンガの積み上げから屋根の設置まですべての工程を完了し、1軒の家を作り上げることが出来る。NIKEでは3Dプリンターで運動靴を作り、ディズニーランドのレプリカも3Dプリンターで作られている。
アメリカ空軍やNASAでも利用されており、F35の部品の900以上はすでに3Dプリンターで製作されている。宇宙飛行士の宇宙食の機内製造にも利用を検討され始めている。3Dプリンターは極めて高い精度で、極めて複雑な構造を低コストで再現できるため、医学界では血管障害をもった新生児用に人工血管を製作する際にも利用されている。
ナノテクノロジーと結びつくことによって、3Dプリンティングはデジタルモデルで形状を設計し、素材を下から積み上げる技術と言い換えることができる。また、素材となるのは、金属、プラスティック、ゴムなどあらゆる物質と考えられる。究極的には、原子や分子のレベルでの素材を使い、あらゆるものを作り上げることになる。
3Dプリンターを使えるようになったおかげで、個別需要に対する調査、製造コストは劇的に低下しました。たとえば、BMWでは顧客に対して1000のオプションを提供できるようになった。そして、エクスポネンシャルテクノロジーであるため、値段が劇的に下がり続けている。2007年時点では3Dプリンターの値段は4万ドルだったが、今日ではたった9年間で400分の1の150ドルになっている。
6,医療とナノテクノロジー
6つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は医療と神経科学である。アメリカ人の平均寿命は1900年には47歳、2015年には86.6歳だった。National Institute on Agingによれば、2036年までには、毎年、1年以上も寿命が延びると予測している。人類の寿命の延びは医薬品、神経科学、統合生物学の進歩が根底にあるが、DNAの4コードの再配列によって、さらに寿命の延びが考えられる。
ヒトゲノム解析診断費用は、初期には27億ドルだったが2015年には1000ドルまでさがり、2020年には1ペニーで十分となっているかもしれない。2020年までに、肺がんや肝臓がんのすべての癌の名称が、ヒトゲノム関連名称へと変更され、ガンの根絶へ劇的な流れが生じるかもしれない。
ニコラス・ボルガ―は、遺伝子操作による治療を施された最初の子供でだが、4歳のとき、病名不明の病にかかって死ぬしかなくなったとき、16000もの遺伝子分散状況を精査し、病原である遺伝子を発見し、血液の入れ替えによって、病的遺伝子を健全遺伝子に置き換える治療法により2011年に回復した。
7エネルギーと環境システム
7つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業はエネルギーと環境システム関係です。特に、太陽エネルギーと水の有効利用についてです。あと十数年で石油が枯渇する。火力発電ではCO2が大量発生する。原子力発電は危険である。こうした意見が根強い中で、エネルギーの枯渇、CO2問題等に対処するため、太陽光の利用が注目されています。
太陽光は人類が必要とするエネルギーの1万倍を提供します。太陽光発電の潜在能力は極めて高く、砂漠1キロ平方メートルから集められるエネルギーは、150万バーレルのオイルや300トンの石炭に匹敵しますし、北アフリカの砂漠地帯をソーラーパネルのするだけで、人類が必要とするエネルギーの40倍が供給されます。
問題はソーラーパネルの設置コストですが、1984年には1キロワットを供給するのに30ドルもかかっておりとても実用化にむきませんでしたが、現在では16セントと1/200になっています。仮に、2年間で半値になるというペースで計算すれば、2040年には、現在の1/2000以下になりますから、太陽光発電だけで人類のエネルギーはすべて賄える計算になります。
太陽光パネルによる発電システムの技術進歩に加えて蓄電装置が進歩しています。MITとサムスンで共同開発したグラフェン電池では、何度でも充電可能で半永久的に利用でき、普通の電池より30%小さくオーバーヒートしません。Dongxu Optoelectronics Technologyでは、15分充電するだけでリチウムイオン電池の20倍の蓄電容量があり、しかも毎日充電して使用しても10年間利用し続けることができる電池を開発しています。また、ニューヨークにあるTrans Active Gridでは 家庭の太陽光パネルで発電した余剰電力を、電力会社を通さずに隣近所へ販売できるシステムを開発して太陽光発電のコスト減へと貢献しています。
一方で、水という資源の有効利用も重要です。飲み水がなければ生きていけませんし、穀物や食肉の供給に水は必要ですし、清潔な水がなければ伝染病の原因となります。World Business Council for Sustainable Developmentによれば、 人類は地球上にある水の1%の半分だけで生存できるとされています。そこで、有限の水資源をどれだけ効率的に使用できるかについて、指数関数的な技術が威力を発揮します。
まずは、汚水を再利用ができればよいわけで、99%バクテリアを殺菌して飲み水にする技術はカーネギーメロン大学で開発されています。海水の飲料水への利用については、イスラエルでは、2020年稼働予定の汲み上げシステムによって、国内の必要飲料の20%を確保できると推定されています。
8,教育の革命
8つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は教育関係です。大学とは、一か所に学生が集まって、先生が講義をして、テキストブックを指定して、全員一緒のペースで授業が進み、1年1年カリキュラムが積み上げられていきます。また、大学の学位を取得するには、莫大な学費を支払うことになりますが、大学費用の多くは宿舎や食費などで下宿生というのも費用負担がかさみます。
こうしたやり方の中の非効率な面に対して、指数関数的技術が大いに貢献するはずです。
アメリカの大学の年間授業料は、1980年には2320ドルでしたが、2015年には9140ドルに急上昇しています。その結果、International Business Timesによれば、1990年時点では卒業時にローンを抱える学生はほぼゼロでしたが、2016年時点では学生の70%が卒業時に3万7千ドルのローンを抱えています。学生時代の借金の合計は4200万人で1.3兆ドルに及びます。これは国の借金の6%に相当します。
9未来のレジャーと娯楽
9つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は娯楽やレジャーです。ブラジルやフランスやドイツでは30日、イギリスやスウェーデンやイタリアであ25日も長期休暇を取るのに、アメリカ人は、年間たった11日しかバケーションを取りません。ただし、定年後は毎日がバケーションです。2016年、退職者のレジャー需要は1800億ドルですが、2035年までには4.6兆ドルになると予想されています。
10,金融産業
10つ目のエクスポネンシャル・テクノロジー産業は金融産業です。金融産業に対するベンチャーキャピタル投資額は、2015年の1870億ドルですが、その10%はフィンテックに対するもので、2010年の10倍になります。
シングラリティ大学の目標の1つは世界から貧困をなくすことであり、世界から貧困がなくなって消費者の数が増えれば、世界経済は爆発的に成長します。貧困状態に置かれている南米やアフリカやアジアの人たちが中流階級となって、自動車や住宅や冷蔵庫を手にできれば、30億人の消費需要が生まれます。
ピーター・ディアマンディスの著書・『Abundance』には、貧困状態に置かれている30億人が、中流階級となって、お金を稼ぎ、お金を消費すれば、世界経済が劇的に進歩するという記載がありますが、インターネット環境が整い、スマートフォンを使って銀行口座を手に入れることから、すべてが始まります。